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お知らせ

Category Archive: 皮漉きについて

お客様の声


嬉しいお言葉

嬉しいお言葉

皮漉きは中間加工業の為 品物に完成した後のお客様の声をなかなか聞くことが出来ないのですが最近 二人のお客様からたいへん嬉しいお言葉を頂きましたのでここで 紹介させていただきます

まず お一人目は長野県安曇野
鞄のアトリエ ESPEDIENTE 高山様のお言葉です

『そんな浅原皮漉所さんの力を借りて初の“フルレザー仕立て”の名刺入れが完成した。
今までは自分個人、ひとりの力でやろうとしてきたけれど、一つの目標であったことが、まわりの人たちのおかげで、まわりの方の力を頂いて、一つの作品が完成していく。材料の仕入れ元もそうだけれども これからも大事にお付き合いしていきたい。』
NHK プロジェクトX 田口トモロヲ 風に読んで頂けると気分でます

お二人目は 芦屋の製本作家 I 田様のお言葉です

(弊社を紹介していただいたH田野様からお聞きしご本人には了解を得ておりませんので 本名は伏せます)
『カーフの平スキは今までの中で日本一!!』I 田様はフランスに漉きを依頼していたとお聞きしております

私どもは漉くという事でしか作り手の方々にお返しできませんがいつかは『世界一!!』と言っていただくようお二人の嬉しいお言葉に安んじることなく今後も精進してまいります

バンドナイフマシーン 下送りゴムローラー交換


下送りゴムローラー

下送りゴムローラー

大漉き機(バンドナイフマシーン)の下送りゴムローラーの交換をいたしました
赤の棒状のモノがその部品でバンドナイフのすぐ下に設置され革を送る役目をしています
堅く厚い革の加工時に抉られることがあり表面が凸凹になってしまうと送る速度が均一でなくなり 漉きづらくなるのでその都度 凸凹を無くすよう漉くのですが今回は漉き代がないため 新品に交換しました
左が新品 右が使用後のゴム送りです棒状の金属に赤いゴムが巻かれているのですが新旧での厚さの違いがわかりますね

新旧ゴム送り

新旧ゴム送り

交換と調整に小一時間ほどかかるのですが私共では全て自ら行っております
交換時でないと出来ないところの掃除や機械の状態を把握する為には人には任せられない大事な作業です
作業中は漉くことは出来ませんので 受注状況を考慮してTwitter等で告知してから 作業いたします
良い漉きをする為の作業ですから ご理解いただければ幸いです

本文中『下送りゴムローラー』『ゴム送り』と記しましたがどちらも同じ事です
正式名称ではなく普段私共で使っている名称ですので ご理解ください
ただ 巻かれている赤の物質は ポリウレタンのようです
俗称として『ゴム送り』と呼んでますのでご了承ください

久々の漉きについてのUPでしたがなかなか 文章力が無く ネタはいくつか有りますが交換以上にUPに時間がかかってしまうので末永くお付き合いいただければ 幸いです
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『取材協力』その後


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先日『取材協力』した記事が掲載された
ゴルフダイジェスト社刊『choice 10月号』が発売中です
ゴルフグローブの商品比較の企画で25種類のグローブの革の厚さ測定をいたしました
内容はぜひ買って見てくださいね

編集者の方は当初 より薄ければ良いグローブとの認識でしたが私が『薄いからと言って 切れてしまったり伸びてしまっては 意味がないですよね

薄くても 丈夫で しなやかで手になじむモノが良いのでは』と提言いたしました
薄いのが良いのであれば どんどん漉きに出していただければ良いのですが(笑)
もちろん 使う人が 使いやすいのが 一番だと思います
計測結果を見ても 最薄で0.36㍉ 最厚で0.54㍉と その差0.18㍉
たぶん 普通の人なら わからない誤差のような範囲だと思います

ただプロでもトッププロの方々は その違いが分かるようでスタート前にはめてもしっくりこなければ 使わず別の しっくりくるものを使うようです
そして いくらしっくりきたものでも 一日使うだけだそうです
そして 縫製する職人が変わっても違いがわかるプロもいるとの事でした
そこまで解るのなら グローブは15本目のギアとなるのでしょうね
私も計測時に指先で触って これはさっきより厚いとか 薄いとか

ほぼゲージでの計測結果と同じに解ったのですがゴルフは学生時代に打ちっぱなしで真横に飛ばす程度の腕でございます
まさか こんな企画のお手伝いをするとは思いませんでしたがトッププロを唸らせるような 漉きを施した究極のゴルフグローブを作る企画なんて 面白いですね!
一般ゴルファーにとって毎回グローブを替える訳にはいきませんからラウンド後にズボンのポケットに入れたまま
洗濯してしまったりキャディーバックのポケットに次回まで仕舞ったままにしないで野球のイチロー選手がグラブを扱うようにゴルフグローブも大切に扱って下さい

コバ漉き機の砥石交換


新砥石で砥ぎ出し

新砥石で砥ぎ出し

久々にメンテナンスについてUPいたします

先月 コバ漉き機の刃の交換をしたのでそれについてまとめておりましたがなかなか上手くまとめられず作業的には似ている
砥石の交換を先にまとめれば刃の交換もまとめられそうなので
今回は『コバ漉き機の砥石交換』についてUPいたします

工具類(砥石交換時)

工具類(砥石交換時)

『日々のメンテナンス』でも書きましたがあくまで、私が父から教わり、続けてきて私なりに改良してきたことですのでそのことを御了承いただきお読みいただきたいと思います

まずは右の画像は交換に必要な工具類です
・砥石ホルダーを外す専用工具
・大きなマイナスドライバー
・14スパナ(私はコンビネーションレンチを使用)
・拭き取り用ウエス(ボロきれ)
・パーツクリーナー(無くてもOK)

本体からブランコと簪を外す

本体からブランコと簪を外す

まずは『日々のメンテナンス』と同じ要領で本体からブランコと簪を外して下さい
必要な工具類に入れ忘れましたが荒神ほうきを使って下の画像のように漉き屑や砥石の粉を落として下さい
バネの中も案外汚れてますので引っ張りながら掃き出してみてください
簪がはまる方はパーツクリナーで洗浄

 

砥石を後方に移動

砥石を後方に移動

綺麗に掃除が終わりましたら正面左のハンドルを時計回りで回して砥石を本体後方に移動させましたら砥石を駆動するVベルトを外し砥石とプリーを掴みプリー側からみて時計回りで回して砥石をアームから外して下さい
刃はむき出しですので 右端の画像のようにウエスで砥石をつかむと少しは安全です

 

砥石をホルダーから外す

砥石をホルダーから外す

専用工具を使って反時計回りで回して砥石をホルダーから外し 綺麗に外れたホルダー プーリーを掃除したら外した逆の要領で新しい砥石をホルダーに時計回りで回してセットしてください
砥石ホルダーをアームに取り付ける前にアームのベアリングも綺麗に掃除してください
ベアリングに砥石粉が入ると音が出て交換となりますので丁寧にティッシュ等で拭き取って下さい

 

新しい砥石装着

新しい砥石装着

ベアリングも綺麗になりましたら取り外した逆の要領で組み上げてください
ウエスで砥石を掴んで時計回りでプリーを回して アームに取り付けたらプリーにVベルトを取り付けてください
Vベルトを右から左に動かしながするとプーリーにはまりやすいです
新しい砥石が本体に組み上がりましたら
モーターを動かして刃を砥ぎ出しましょう
砥ぎ上がる間にブランコの掃除をすれば時間の節約になりますね
最後は作業の流れを画像でまとめます

最初に必要な工具として14のスパナと記しましたが砥石の交換だけなら必要ありませんでした
が しかし 交換後に行う調整には必要です
それについては 文章力がなさすぎで まとめられなかったのでお知りになりたい方は 是非 弊社までお越しください
お教えいたしますが その際にはお仕事のご用命もよろしくお願いいたします

コバ漉き機 刃交換


減った刃

減った刃

コバ漉き機の刃が小さくなったので交換しました
刃の残りが20mm過ぎ位が交換のタイミングです
今回は残り17.5mmでした
上の物差しは『寸差し』で今でも長さを測る時に使ってます
当初は尺貫法に違和感がありましたが最近では慣れたのかメートル法から換算したりしています
ただ、薄さはメートル法使います
『尺』や『寸』等は体の部分の長さから出来たと聞いた事がありますがそんなところがしっくり馴染む訳なのかもしれませんね

交換の手順はまとめ次第UPいたします

日々のメンテナンス


ビヤ樽&ブランコ&簪

ビヤ樽&ブランコ&簪

以前より機械の扱い方について書いてみようと思っておりましたがもしかしたら、皆さんがしている事と違い混乱してしまうかもと思いなかなか書けませんでしたがあくまで、私が父から教わり、続けてきて私なりに改良してきたことですのでそのことを御了承いただきお読みいただきたいと思います
また、部品等の呼び方も工房等によって違うと思いますので『こんな呼び方ですよ』とか『こんなやり方しています』等とお教えいただければ私としても、勉強になりますのでぜひ、御協力ください

まずは日々のメンテナンスについて書かせていただきます

 

まず、本体左側面後方上部の取手付ネジを後方に倒して弛め、歯先に気をつけてブランコと簪を左手で掴み後方へずらすと、押さえピンが外れて本体よりブランコと簪を取り出します
マイナスドライバーでビヤ樽の芯ピンの押さえネジを弛め、ブランコよりビヤ樽&芯ピンを外します
外した部品の漉きカスや油汚れをウエスで綺麗に拭き取ります

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ビア樽の芯穴もウエスを細く撚って通して綺麗にします
綺麗なビア樽に芯ピンを取り付ける際に芯ピンの油溜まりの溝があるところへマシンオイル♯120を挿します
再びビア樽とブランコを取り付けマイナスネジをしっかりと締めます
ブランコと本体を支える本体のピン(前後2か所)とブランコのピン穴(前後2ヶ所)も綺麗にしてピン穴に油を挿します

簪の前後にも油を挿します
左手でブランコとビア樽の挿した簪を持って本体に取り付けます
この際、本体側のピンと、ブランコ側のピン穴がガタつかないように何度か動かしてみます
ガタつきがないところで、取手付ネジを締めます
バネをブランコに取り付けて組み立ては終了です
最初にバネを外す事を書き忘れました(笑)
機械を始動して、異音や異常な振動がないか確認して本体上面左後方のオームギアボックスの蓋をあけて歯車に油が付いて回ってるか確認し、少なければ挿し足します
本体上面中央前方の心棒への油挿し穴にも油を挿します
以上が私が毎日始業時にするメンテナンスです
使用頻度によりますが毎日ではなくても、週一回位行えば機械も喜んで働いてくれるでしょう

 

皮漉きとは?


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毎年何度か通りすがりの方が弊社の看板を見て『なんと?読むんですか?』と尋ねられることがあります
『あさはらかわすきしょ』とお答えすると『何をしているのですか?』とたいてい聞かれます
『革を薄くする仕事です』とお答えし目の前で実際に作業をしてみせると『こんな仕事があるのですか!』とほぼ言われます
『お財布お持ちですよね』と尋ね出されたお財布の漉き加工の部分をお教えすると皆様あまりの多さにびっくりされます

財布でもハンドバックでも多かれ少なかれ漉きの加工は施されております
表には出る事のない地味な作業ですが製品の出来を左右する大切な仕事であります

このHPで『皮漉き』のことをPRすべく今後充実させていくよう頑張ってまいります

末永くお付き合いいただければ幸いです!